このネズミ、見たことありますよね?
この子こそ、「フレデリック」です。今日は
入園・入学のお祝いにぴったり! 【年齢別】絵本・児童書セット~絵本ナビベストセレクション~
絵本ナビより名作私シッポ大大大好き絵本「フレデリック」の紹介です。
みなさん
こどものプレゼントに絵本は最高です!
この本は3~6歳(そして大人)向けです。
フレデリックって?~あらすじ~
お百姓さんの家の近くにある石垣の中、おしゃべりネズミたちが暮らしています。
…しかしお百姓さんが引っ越してしまい、食べ物がサイロから無くなってしまいます。
ネズミたちは冬に向けて、せっせと食べ物を集めます。ただひとり、フレデリックを除いては…。
フレデリックは働かずに太陽を眺めて「おひさまのひかりをあつめてるんだ」
石にぼーっと座っては「いろをあつめてるんだ、ふゆははいいろだからね」
といって働きません。
冬になり、初めはよかったのですが、やがて食べ物は尽きてしまいます。
ネズミたちは思い出します。そしてフレデリックに言います。
「きみが あつめた ものは いったい どうなったんだい フレデリック」
フレデリックは「めをつぶってごらん…」と言います。そしてネズミたちに自分が見てきた景色、色、太陽のあたたかさをみんなに伝えます。
そして最後にはあつめた「ことば」をみんなに披露し、ネズミたちは大喜びでフレデリックをたたえます。
「ちょっとかわったネズミのはなし」の2つの意味
フレデリックの副題は ~ちょっと かわった のねずみの はなし~ です。
フレデリックは食べ物を集めずに夏をぼーっと過ごします。
これは、人間のたべものを拝借して生きている野ネズミの側面からも
みんなと同じ行動をとらない人間の側面からも“ちょっとかわって”います。
作者レオ=レオニの作品は完全なおとぎばなしと地上のリアルな生活の絶妙なバランスの世界観を作り出しています。
それこそがこの本の大きな魅力で大人も楽しめるヒミツなのです。
そして日本語訳は「かえるのぴょん」など国語の教科書でおなじみ谷川俊太郎
この人の詩のワードセンスは国宝級ですよね。
そしてこの、レオニ俊太郎コンビは名作「スイミー」でも有名です。
「個性」を学ぶ絵本~アリとキリギリスとの大きな違い~
フレデリックは夏の間に働かず、ほかの野ネズミたちは冬に向けてせっせと食べ物を集めています。そんなフレデリックをみてみんなが腹を立てる場面もあります。
一見すると“アリとキリギリス”にお話は似ていますが
フレデリックはキリギリスのように痛い目を見るどころか、最後はみんなにほめたたえられます。
キリギリスとフレデリックの大きな違いは
自分のしていることは自分のためだけでなく、みんなのためにも大切なことをしているという自覚のもとに行動している点です。
そしてその行動はみんなの考えの先をいったものでした。
前ならえにみんなと同じ行動を取ることも大切。でも子育てにおいてみんなのために大事な行動を考えて動くことを教えるのは簡単ではありませんね。
この本は「ちょっとかわったねずみ」は決して悪くないことを教えてくれます。
最高!フレデリックさいごのひとこと
フレデリックは最後に夏~秋にかけてあつめた「ことば」をネズミたちに披露します。
その素敵なポエムをきいたネズミたちは大喜びしてフレデリックを誉めます。
そして絵本は最後のシーンへと向かうのですが、絵本の最後のページは褒められたフレデリックの「ひとこと」で終わります。
フレデリックファンのなかで超有名なこの「ひとこと」はもう最高としか言えません。
その「ひとこと」はぜひ、本を手に取って確認していただけたらと思います。(きになる!)
さいごに
「フレデリック」は「ちょっとかわって」ます。
子どもも「ちょっとかわった」ことをするときがありますし、みんなと同じ行動がとれないこどもだっています。その時は一緒に「フレデリック」読んでみてください。
大人も一緒にフレデリックに「めをつぶって…」と言われてみて下さい。
レオ=レオニの本はとても色彩豊かで、芸術味にあふれています。この本が部屋にあるだけで、めちゃめちゃかっこいいんですよね。
ぜひ、みなさんも「フレデリック」部屋に飾って、ときどき読んでみてください!